吉村萬壱『臣女』(徳間文庫)書評(2015年1月記 寄稿先不明)

奇想天外な介護小説が、最終章で純度の高い命がけのラブストーリーへと転じるアクロバティックな展開が素晴らしい。
豊﨑由美 2026.08.07
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 3メートル超→3メートル42センチ→4メートル→4メートル35センチ→4メートル68センチ→5メートル超。これ、何の数値だと思います? 今年も厳しい北国の積雪量じゃありません。もともと150センチしかなかった妻の身長の推移なんです。

 東日本大地震後にそこかしこで生まれた、同調圧力の不気味さを描いて話題を呼んだ『ボラード病』の作者・吉村萬壱の最新作『臣女』は、骨の成長が止まらず巨大化していく妻・奈緒美の世話に明け暮れする夫〈私〉を語り手にした書き下ろし小説だ。でも、ひとくちに世話といったって容易なことじゃない。

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