妄想歌詞評 スピッツ(2017年7月「ふらんす」に寄稿)

スピッツファンの皆さん、どうか笑って読んで許してやってください。
豊﨑由美 2026.08.27
読者限定

 稀代のケモノバカ一代を自認するわたくしですから、好きに決まってるじゃないですか、スピッツ。犬のほうだって、バンドのほうだって。そういえば3歳くらいの時、知人が飼ってたスピッツを我が家で預かったことがあるんですが、ドアノブにリードをひっかけて日向ぼっこをさせていたところ、怪しい男2人組が車から降りてきて、わたしの目の前でその預かり犬を連れ去るという事件が勃発。「どうして声を上げなかったのだ」と両親からこっぴどく叱られましたけど、つまり、当時、盗まれるくらい人気の犬種だったのでした。

 閑話休題。で、バンドのスピッツのほうなんですが、わたし、草野正宗の歌詞って、異様だと思ってるんです。だから、好きなんです。たとえば「夢じゃない」なんか、よくこんな歌詞が公共の電波に乗せられるなってくらい危険。〈あたたかい場所を探し泳いでた 最後の離島で きみを見つめていた きみを見つめていた〉。

この記事は無料で続きを読めます

続きは、1023文字あります。

すでに登録された方はこちら

読者限定
妄想歌詞評 キリンジ「エイリアンズ」(2017年4月 「ふらんす」に寄...
読者限定
野田秀樹『エッグ/MIWA』(新潮社)書評(2015年1月「新潮」に寄...
読者限定
吉村萬壱『臣女』(徳間文庫)書評(2015年1月記 寄稿先不明)
読者限定
KERA・MAP『キネマと恋人』劇評
読者限定
滝口悠生『愛と人生』(講談社)書評
読者限定
クラリッセ・リスペクトル『星の時』(河出文庫)書評
読者限定
なぜ、わたしは本を読むのか
読者限定
宇月原晴明『かがやく月の宮』(新潮社 Kindle)書評