妄想歌詞評 スピッツ(2017年7月「ふらんす」に寄稿)
スピッツファンの皆さん、どうか笑って読んで許してやってください。
豊﨑由美
2026.08.27
読者限定
稀代のケモノバカ一代を自認するわたくしですから、好きに決まってるじゃないですか、スピッツ。犬のほうだって、バンドのほうだって。そういえば3歳くらいの時、知人が飼ってたスピッツを我が家で預かったことがあるんですが、ドアノブにリードをひっかけて日向ぼっこをさせていたところ、怪しい男2人組が車から降りてきて、わたしの目の前でその預かり犬を連れ去るという事件が勃発。「どうして声を上げなかったのだ」と両親からこっぴどく叱られましたけど、つまり、当時、盗まれるくらい人気の犬種だったのでした。
閑話休題。で、バンドのスピッツのほうなんですが、わたし、草野正宗の歌詞って、異様だと思ってるんです。だから、好きなんです。たとえば「夢じゃない」なんか、よくこんな歌詞が公共の電波に乗せられるなってくらい危険。〈あたたかい場所を探し泳いでた 最後の離島で きみを見つめていた きみを見つめていた〉。